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『男はつらいよ』って、結局なにがつらいの?——寅さんを知らない私が考えてみた

男はつらいよ」っていう映画、タイトルはすごく有名なのに、実は一度もちゃんと観たことがありません。

私はリアルタイム世代じゃないけれど、子どもの頃、正月になるとどこからともなく寅さんの主題歌が流れてきた。あの音楽を聞くと、なんだか「安心感」みたいなものを覚える。
…なんでだろう。観ていないはずなのに、懐かしい。

🎬 寅さんをリアルタイムで観ていた世代

🕰 放映時期

  • 映画第1作:1969年(昭和44年)

  • 映画第48作(最終作):1995年(平成7年)

この間、ほぼ年2本ペースで公開されていました。

👥 当時の観客層

  • 映画館に足を運んでいた中心層は、
    30代〜50代の男女(当時)とされています。

  • 特に、中高年の男性に熱い支持がありました。
    「自分の親父を見ているようだ」という声も多かったようです。

  • また、「家族で観に行った」「正月映画の定番だった」という話も多く、幅広い世代に愛された国民的映画でした。

🎂 年齢換算すると…

  • 1969年に30歳だった人 → 2025年現在、86歳

  • 1985年に30歳だった人 → 今、70歳

  • 1995年に30歳だった人 → 今、60歳

つまり、リアルタイムで劇場で観ていた人たちは、今はだいたい60代後半〜80代以上の世代が中心になります。

📺 テレビ放映や再放送で観た世代

  • 寅さんは映画だけでなく、テレビでも何度も放送されてきました。

  • 1990年代〜2000年代には、地上波やBSで頻繁に再放送されていたため、

    • 40代〜50代でも「テレビで観てた」という人は結構多いです。

  • また、TBSで放送されていた元祖ドラマ版(1968年)を知る人はかなり年配。

🎞 最近の再評価

  • 2019年の「男はつらいよ お帰り 寅さん」(第50作)公開にあわせて、
    若い世代にも再評価されており、
    NetflixAmazon Prime Video・U-NEXTなどでも配信されています。

  • 20代〜30代でも、「映画好き」や「昭和文化が好き」な人たちの間で見直されています。


でも、不思議なもので、このタイトルってときどき頭に浮かんでくるんです。
たとえば、職場での気疲れが続いた日とか、誰かとうまく話せなかった日。
「いや〜、男ってつらいなあ」って、言いたくなる瞬間がある。

でもこれ、実際のところ「男」だけがつらいの?
女性はつらくないの?
男はつらいよ」ってタイトルは、なんでここまで愛されてきたんだろう?

今回は、そんな素朴な疑問から出発して、寅さんのこと、昭和のこと、そして“つらさ”というものについて考えてみたいと思います。
完全なる初心者目線で恐縮ですが、お付き合いいただけたら嬉しいです。

映画『男はつらいよ』って、どんな作品?


www.youtube.com

男はつらいよ」は、1969年から1995年まで、なんと全48作も続いた超ロングランシリーズです。
主人公は“フーテンの寅”こと車寅次郎。東京・葛飾柴又の団子屋「とらや」の出身で、日本中を渡り歩く旅の商売人。
気が短くて口も悪いけれど、情に厚くて涙もろく、人との縁をとても大切にする。そんな不器用な男です。

毎回のように、旅先で「マドンナ」と呼ばれる女性と出会い、恋に落ちるけど、結局うまくいかない。
そしてふらっと実家に戻っては騒動を起こし、また旅に出る。——そんな繰り返しの物語。

ここまで書くと、「ああ、ラブコメの昭和版ね?」と思うかもしれません。
でも、この映画の魅力はそれだけじゃなくて、出てくる人たちがみんな“完璧じゃない”こと。
仕事で失敗したり、人付き合いに疲れてたり、家族とうまくいかなかったり。
観てる人が「わかるわかる」って思える“日常のつまずき”が詰まってるんです。

寅さんだけじゃない。さくら(妹)も博(義弟)も、みんな何かしら悩んでる。
そのなかで、寅さんはいつもどこかへ行って、誰かを助けて、そして恋をして——
うまくいかないまま、また次の旅に出ていきます。

なぜ「男はつらい」のか?性別じゃなくて“生き方”の話かもしれない

最初にこのタイトルを見たとき、私は正直、「あれ?女のほうがつらい時もあるよね」って思いました。
育児や介護、仕事と家庭の両立、社会の期待…女性だって大変な時代です。
だけど、『男はつらいよ』の「男」は、性別そのものを指してるんじゃないように思えてきたんです。

主人公の寅さんは、いわゆる“自由人”。
会社勤めもしていないし、家庭も持たず、身ひとつで全国を旅して暮らしてる。
一見、気ままでいいなあって思うけど、その代わり、どこにも定住できない。
自分の帰る場所はあっても、そこに長く居続けることはできない。

恋をしても、自分の立場や不器用さを考えて、最終的には身を引く。
「幸せになってほしい」って思いながら、自分は一人で立ち去る。
寅さんは、いろんな人に愛されるのに、誰にも甘えきれないんです。

たぶん「男はつらいよ」の“男”って、そんな「不器用にしか生きられない人間」全体を象徴してるのかもしれません。

寅さんの“つらさ”は、現代の私たちにも通じてる?

この映画の世界は、昭和の日本。
だから当時の“男らしさ”とか“女らしさ”も、今とはだいぶ違います。
だけど、寅さんのつらさって、時代が変わってもどこかで共通する気がするんです。

現代の私たちは、自由が増えた反面、「ちゃんとしてなきゃ」「正しくあらねば」っていう空気に縛られてる。
SNSでの人付き合い、職場のマナー、家族との距離感。
寅さんみたいに「ぶっきらぼうだけど本音で生きてる人」って、今やものすごくレアです。

寅さんが「それを言っちゃあ、おしまいよ」と言ったとき、それは「本音を言ってはいけない世界」を笑い飛ばすような、やさしい毒舌だったのかもしれません。
「いい人」であろうとするあまり、本当の気持ちを隠してしまう私たちにとって、寅さんはある意味、憧れの存在なのかもしれません。

じゃあ今、「男」ってつらいの?

あらためて、今の社会で「男はつらいよ」と言うと、ちょっと違和感がありますよね。
男女平等やジェンダー論が浸透してきて、「男だけがつらいなんておかしい」と感じる人も多いはずです。

でも最近、「男性の生きづらさ」というテーマが、じわじわと注目されています。
「男なら強く」「泣くな」「ちゃんと稼げ」など、古い価値観がまだ根強く残っていて、悩みを外に出しづらい。
女性の悩みが可視化される一方で、男性の“見えない苦しさ”は語られる機会が少ないとも言われています。

つまり、寅さんが「男はつらいよ」とつぶやいた背景には、今の社会にもつながる“男性ならではの孤独”や“役割の重さ”があったのかもしれません。
でも大事なのは、それを性別のせいにすることじゃなくて、「つらさは人それぞれ。誰にだってあるよね」と受け止めることなのかな、と思います。

おわりに:寅さんのように、不器用でも愛される人になりたい

映画『男はつらいよ』をちゃんと観たことはないけれど、その存在にはどこか惹かれるものがあります。
完璧じゃない、不器用で、だけどあったかい。そんな寅さんに、今こそ会ってみたくなりました。

きっと私たちのなかにも、寅さんみたいな部分があるんだと思います。
誰かに迷惑をかけたり、うまく気持ちを伝えられなかったり。
でも、それでも誰かに必要とされて、誰かのために動ける。
そんな人間の不器用な美しさを、寅さんはずっと教えてくれているのかもしれません。

今後時間があるときに団子でも買って、のんびり観てみようかなと思っています。

——それでは、今日はこのへんで。

 

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