週末の土曜日。
前から行ってみたかった「東京都立中央図書館」へ行ってきました。
最寄りは広尾駅ですが、せっかくなので麻布十番から歩いて向かうことに。散歩を楽しみながら、街の空気を感じつつの図書館訪問です。
麻布十番からのんびりと。異国情緒あふれる街並み
麻布十番駅を出るとすぐに広がるのが、あの有名な麻布十番商店街。
昔ながらの風情もありつつ、おしゃれなカフェや雑貨屋さんもちらほら。ここは何度か歩いたことがありますが、何度来ても楽しいですね。
商店街を抜けてしばらく歩くと、住宅地の中に入ります。そこには静かな空気が流れ、大使館がぽつぽつと建っている。看板に「ジャマイカ大使館」「アルゼンチン大使館」などと書いてあるのを見ると、「今自分が歩いているのは、普通の日本の道じゃないかもしれない」と錯覚してしまうような不思議な感じ。
東京にいながら、ほんの少し旅気分。
そんな気分を味わいながら、都立中央図書館に到着しました。
学生の頃とは違う読書体験を
この図書館、実は学生のときに一度来たことがありました。
そのときは、レポートを書くために必要な文献を探しに来たのが目的。図書館の広さや資料の多さに圧倒されつつ、課題に追われて必死でメモを取っていた記憶があります。
それから年月が流れ、今回は純粋に「読んでみたい」「知りたい」気持ちだけを持って訪れました。義務感のない読書って、こんなにも自由で、こんなにも気持ちがラクなんだと、しみじみ感じました。
都立中央図書館の魅力
この図書館は、1階から5階までがすべて図書館スペースという、圧巻のスケール。特に4階の一般閲覧室は天井も高く、明るくて気持ちがいい空間です。
大学生がグループでディスカッションできるような専用の部屋もあり、静かすぎない適度な空間も用意されているのが今っぽい。
1人で集中して読書するもよし、テーマを持った仲間と勉強するもよし。どんな人にも居場所がある場所だと思いました。
個人的には、地元の図書館のようなこじんまりとした雰囲気も好きですが、こういう大きな図書館には「思いがけない出会い」があります。
普段手に取らないような本にふと目が留まったり、膨大な資料の中で偶然気になる言葉を見つけたり。
それに、統計資料や調査データ、過去の新聞など、情報の厚みが段違い。研究者や専門家でなくても、「知りたい」という好奇心があれば、この空間の奥深さにワクワクできるはずです。
「きみのお金は誰のため」を読んで
雑誌コーナーでしばらくパラパラとページをめくったあと、ふと目に留まったのが一冊の本。
『きみのお金は誰のため ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」』
(著:田内 学/日経BP)
児童書っぽいタイトルとイラスト表紙。でも、開いてみるとその内容はとても本質的で、むしろ大人こそ読んでほしい一冊でした。
お金の正体を、やさしく、でも鋭く問いかける本
本書は、「ボス」と呼ばれるお金のプロフェッショナルが、「きみ」という子どもに語りかける形式で進んでいきます。言葉づかいは平易だけど、その問いかけの一つひとつが鋭いんです。
「お金って何のためにあると思う?」
「どうしてみんな、たくさん持ちたがるんだろう?」
そんな疑問をきっかけに、経済や社会、そして「信頼」や「つながり」といった目に見えない価値について深掘りしていく内容です。
役に立つとは?価値があるとは?
心に残ったのは、「価値」という言葉の捉え方。
「役に立つこと=お金になること」と思っていたけれど、
実は「お金になること=価値があること」とは限らない。
この部分を読んで、ふと自分の暮らしや仕事のことが頭をよぎりました。家族のためにご飯を作る、誰かの話をじっくり聞く、病気の人に寄り添う……
それって「お金」にはなりにくいけど、間違いなく価値のあること。
ボスの言葉は、そうした“見えにくい価値”の大切さに気づかせてくれます。
お金の先にある「幸せ」を考える
この本のもうひとつのテーマは、「お金のその先にあるものを見よう」ということ。
稼ぐことは目的じゃなくて、手段。
大事なのは、それをどう使い、誰と、どんなふうに生きていくかという問い。
お金について考えるとき、「いくら必要か」「どう増やすか」という話になりがちだけれど、本当に大事なのは「誰のために使いたいのか」なのかもしれませんね。
厳選した自己啓発本、こちらで紹介してます!!
図書館で読む本の特別さ
この本を図書館で読んだからこそ、スッと頭に入ってきた気がします。
スマホも閉じて、静かな空間でただページをめくる時間。
周囲には同じように本を読む人がいて、それだけで少し背筋が伸びる。
無料で、静かで、心が整っていく。図書館って本当にいい場所だなあと改めて思いました。
帰りは六本木ヒルズをぶらりと
帰りは六本木ヒルズ方面へ足を伸ばしてみました。
土曜日の夕方、少し人出のあるエリアを歩きながら、「東京って広いようで狭い、でもやっぱり多彩な街だなぁ」と思ったり。
テレビ朝日へ。ここ、1階のアトリウムがいつ来ても楽しいんです。
この日はちょうどイベント準備中だったのか、色とりどりの展示が並んでいて、テンションが上がりました。



特にドラえもんの大型オブジェや、テレビ番組のパネル展示、オリジナルグッズの数々はついつい写真を撮りたくなってしまう。


こういう「非日常」がさらっと体験できるのも、東京散歩の魅力のひとつですね。
「ツタバ(蔦屋書店とスタバ併設店)」に寄って雑誌や文庫本を探して、気がつけばあっという間に夕方。
おわりに:また、図書館に行こう
都立中央図書館での時間は、静かで、でも内側がちょっとずつ動くような、そんな心地よい体験でした。
情報を得るだけじゃなく、自分の考えを深めたり、新しい視点をもらえたり。
今度は調べものをしたいテーマを決めて、また訪れてみようかなと思います。
図書館って、行くたびに新しい「自分」と出会える場所かもしれません。