久しぶりに、ゆっくり本を読んだ📕
手に取ったのは、原田ひ香さんの『喫茶おじさん』。

主人公は57歳の松尾。
早期退職をきっかけに喫茶店を始めるが、うまくはいかない。
その後、彼は喫茶店巡りを始める。
大きな事件が起きる物語ではない。
けれど、読んでいるうちにじわじわと心に沁みてくる。
松尾は、決して嫌な人ではない。
むしろ、どこにでもいそうな「ちょっと不器用ないい人」。
だからこそ、うまくいかない姿が他人事に思えない。
会社を辞めること。
夢を追うこと。
家族との距離。
どれも特別な話ではないのに、妙にリアルだ。
本の中に出てくるコーヒーやサンドイッチが、とにかく美味しそう☕🥪

湯気の向こうにある静かな時間が、物語そのもののようにあたたかい。
離婚や別居というと、
女性のほうが前向きに立て直していく印象を持っていた。
男性は生活が崩れがち、という先入観もあった。
でも松尾を読んでいると、
人はそんな単純ではないのかもしれないと思う。
うまくいかなくても、
目の前の一杯をちゃんと味わえる人。
最後の方、少し胸がじんとした。
派手な再出発じゃなくていい。
人生は、一杯のコーヒーくらいの温度で続いていくのかもしれない。
そんな余韻の残る一冊だった🌿
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